青山繁晴の「逆転」ガイド を読んでみた

関西テレビではおなじみの青山繁晴さん。この参議院選挙にも初当選した政治家であり元共同通信記者であり大学教授であり研究員である作家さんです。今回は、「逆転」ガイド 〜その1 ハワイ真珠湾の巻〜』を読んでみました。



青山繁晴の「逆転」ガイド 〜その1 ハワイ真珠湾の巻〜』 ワニ・プラス 2015年9月19日


青山繁晴さんはテレビ番組やラジオに参加されていますが、あまりよく知りませんでした。近代史に興味がわいてからネットやテレビ番組でいろんな方の意見を聞くようになりましたが、彼の発言は真実味をおびています。世界各国を渡り歩いて人脈を繋げ、自衛官から政府関係者まで各現場の声をひろった情報が魅力です。いろいろな見解を聞くたびに、脚色されたものではなく、刷り込みされるような本ではなく、真実が知りたいとずっと思っていました。そんな時にこの本に出会いました。
この本は彼が実際に見たり、現場から聞いた情報を基に、パールハーバー・真珠湾に実際に出向き、自身の研究所の会員の方に博物館での展示を見ながら説明・紹介している設定です。なにが逆転かというと、日本人が持っている認識を逆転させるという意味だと思われます。(本人は旅行ガイドのようでガイドとつけたくなかったようですが。)学校教育や教わってきた近代史では軍の暴走だとか、侵略戦争だとかそういった「悪」のイメージでしかありませんが、実際ハワイの国立博物館には違った解釈で展示がされているようです。
ふたつの新しい力、すなわちアメリカ合衆国と日本がそうした世界で勃興し、指導的な役割を果たそうとしていた。双方は、その国益をさらに追及したが、双方とも戦争は避けることを選んだ。しかし双方とも、ここ真珠湾で衝突が起きる道に乗ってしまった。

これは青山さんの和訳ですが、これ、アメリカ国立博物館に載せてある文章なのです。私の中にある歴史認識を逆転する証拠です。
そういった展示をひとつひとつ英語の解釈とともに、読み手にどう考えるかを訴えかける内容になっています。百聞は一見に如かず、実際にハワイの博物館まで行くのがいいのでしょうが、行かなくても写真を添えてくれているので理解が深まります。もちろん青山さんはこの本を読んで博物館を訪れてほしいと思っています、実際私も行く機会があれば自分の目で見てみたいと思える内容でした。
文章としては、引率している会員さんへの語り口調で書かれているので読みやすく、一晩で読めてしましました。言葉も難しい感じがずらっと並んでおらず、戦艦と空母の違いすら知らない私でも理解することが出来ました。

  • 真珠湾攻撃が良い悪いの話ではない

  • 日本人の考える真珠湾攻撃とアメリカ人の考える真珠湾攻撃との違い

  • ひとりひとりが歴史認識について再確認してみよう

事実を伝え、読み手に考えさせる。戦争史に詳しい方でも私のような知らないものでも読めて衝撃な内容が明らかになります。彼の言う通り、右や左といった枠にとらわれずに読めるおススメ本です。


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